マインドフルネス · リトリート&トレーニング

MBSR in Mind-Body Medicine – リトリートトレーニングで受けた質問

2月末、北カリフォルニア州サンノゼから約1時間半のところにあるMount Madonnaというところで、
一週間のリトリートトレーニングに参加しました。

1979年にマインドフルネス・ストレス低減法を生み出したジョンカバットジンと、
現在マサチューセッツ大学医学センター、マインドフルネスセンターのディレクター、
サキサントレリによる、年に一度のこのリトリートトレーニングには、
世界各国から約160名が参加。

初日の夜のセッションで、ジョンが全員に向けて投げかけた質問は「Why are you here?」
「何故あなたはここにいるのか。ここに来たのか」。

次の日の朝も、またジョンが「Why are you really, really here?」とみんなに質問を投げかけました。

トレーニングは毎朝6時からのsitting meditationから始まり、
walking meditation、sitting meditation、walking meditationと、
繰り返して2時間、沈黙の中で進められました。
これは一般的なSilent Retreatの流れに沿ったものです。

朝、まだ外も真っ暗の中で始まるsitting meditationの最中、
何度も眠りそうになるのを避けるため、ふっと外の景色に目をやると、
段々と明るくなって行く空の色、雲の流れる景色がみえて、
あ~昔どこかでみた日本の景色にそっくりだなあ、そんなことを思いました。

そんな景色を見ながら「Why are you really, really here?」という質問が、
自分の中で、このトレーニングに来た理由を問うだけでなく、
「何故ここアメリカにいるのか」という問いに変わってきました。

アメリカに来て、嫌なことや辛いことが山程あっても、何故か今もここにいる。

日本のいとこの結婚式に出れなかったり、父の最期に間に合わなかったり、
自分を責めて悲しい思いをして、それなのに何でここにいるんだろう。。。

シンプルな質問を、改めてじっくり自分に向けて深ーく考えると、
言葉にできるような理由では、何だか十分でないような気がしてきました。

頭で考えて言葉にした理由以上の、何かを心で感じて、
だからここに居続けている、そんな風に感じてきました。

以前の職場にいた頃「何故ここにいるんだろう」って自分に問いかけた時、
頭で考えて出てくる理由どころか、心でも何も感じなかったことを覚えています。

虚しい思いというのはこれだな、って思ったのを覚えています。

自分の本当にやりたいことに出会った時、本当にいたいと思う場所にたどり着いた時、
言葉では表せない、心で熱く感じる思いでいっぱいになる。。。

一番大切なのは「何故ここにいるのか」という理由よりも、
「今、ここにいる」ということなんだと思います。

心でその熱い思いを感じていられれば、満足した自分の生き方ができるんだと思います。

自分の生き方、取り組んでいること、進んでいる道に迷いが出た時、
「何故?」って頭で考えようとせずに、心に尋ねてみてください。