マインドフルネス

マインドフルネスとは

マインドフルネスという言葉を知ったのは、2012年の秋ごろ。
いつも混乱した環境の病院で働く看護婦や看護教育者たちと関わる仕事場で、毎日ストレスとがひどく、不眠、消化不良などに悩まされ、精神的にも疲れ果てていました。

ストレス解消法としてヨガやサイクリングは続けていましたが、エクササイズではその効果も感じなくなってきていました。

あまりのストレスで仕事の後は自宅で彼と会話もできないくらい。これはどうにかしなければ、とストレス解消対応するために何かないかとネット上で探し始めたのです。

沢山出てきたストレス解消法の中の一つが、この8-Week Mindfulness-Based Stress Reduction(8週間マインドフルネス ストレス低減法プログラム)(以下MBSR)でした。

MBSRは、1979年マサチューセッツ州医学大学のジョン カバットジンが生み出したプログラムで、カリフォルニア大学サンディエゴのCenter for Mindfulness(以下UCSD CFM)でも、オリジナルのカリキュラム通りに教えていることを知りました。

マインドフルネス プログラムは、意識を身体感覚に集中し、雑念、不安や心配など思考へのとらわれから「心」を解放し、今の瞬間をあるがままに受けとめられる「心」を作る、それを目指すトレーニング法です。今の瞬間に集中しあるがままに受け入れることにより、自分と、自分の周りに存在する困難な出来事、思い、思考、人との関係などに対して、これまでとは違った対応、関係を築いていくことができるプログラムです。

例えば友人に電話メッセージを残したのに、全く連絡がない。どうしたんだろう、何かあったのかな。何か変なこと言ってしまったかな、連絡したくないのかな、と不安になってくる。不安な気持ちは身体でも感じられ、気分も落ち着かなくなってくる。こんな状況はストレスの原因の一つです。

実際ここで起こっている事実は「友人から連絡がまだない」ということで、後は自分の頭の中で作り上げているストーリー(物語)です。そんな自分の作り上げるストーリーが、常にストレスを生み出しているのです。

もしも「今の瞬間をあるがままに受けとめる」ことができるようになったら、その一瞬、一瞬を十分に味わうことができるようになってきます。そして一瞬は常に去り、次の一瞬が訪れます。
嫌な出来事があった時、例え起こった事実は変えられないとしても、起きた時は一瞬、そしてその一瞬は去っていっているはずです。

でも過去に起こった嫌なことが忘れられない、それが原因で未来のことが不安になる、そんな気持ちになったことはありませんか。

私は半信半疑でMBSRプログラムへ参加しました。ただこのストレスをどうにかしたいという思いが強かったので、何でも試してみようというそんな気持ちでした。
実際MBSRプログラムに参加して、ストレスが低減したばかりか、これまで全く知らなかった世界へ足を一歩踏み入れることができました。

マインドフルネスプログラムへの興味がどんどん増して、トレーニングを続ける中、このMBSRを教えたいという思いも強くなり、キャリアチェンジへもつながりました。

今、欧米の様々な地域でマインドフルネスプログラムが開発され開催されています。私がアシスタント講師として教えているカリフォルニア大学Center for Mindfulnessでも、このMBSRプログラムの他、マインドフルネスを基礎としたMindful Self-Compassionプログラムが盛んになってきています。

私は、自分のストレス解消に役立ったこのマインドフルネスプログラムを、主にアメリカ在住の日本人の方々へ紹介していきたいと、今はそんな思いでいっぱいです。